たゐにいて
なつむわれをそ
きみめすと
あさりおひゆく
やましろの うちゑへるこら
もはほせよ えふねかけぬ
たいにい てなつむ
われをそ きみめす
とあさり おひゆく
やましろ のうちゑ
へるこら もはほせ
よえふね かけぬ大為爾
大為爾伊天 奈従*武和礼遠曽 支美女須土 安佐利(於**)比由久 也末之呂乃 宇知恵倍留古良 毛波保世与 衣不弥***加計奴
田居に出で 菜摘む我をぞ 君召すと 求食り追ひ行
山城の 打酔へる子ら 藻葉干せよ え舟繋けぬ
大為爾の歌 たゐにのうた は いろは歌同様に、47文字の仮名をすべて一度ずつ用いて作られている歌。作者は源為憲ではないかと推測される。冒頭が「たゐに」で始まることからこの名がある。
天禄元年に源為憲が著した『口遊』という書物に掲載されている。為憲は当時普及していた天地(あめつち)の歌を引き合いに出し、これを里女の訛説として退け、この歌の方が勝っていると評した。
ここで一人の名前が浮かび上がってくる。山上憶良である。
「字數歌」
いろは四十七音に五十音経緯図外の「ン」を加へた四十八音を、一字一度で、すべてを使い、つくられる。字母歌を欧米では「パングラム」といわれている。