Monday, April 17, 2006

根尾谷淡墨桜

日本三大桜の根尾谷淡墨桜である。
蕾の頃は薄い桃、爛漫の姿になると白、盛りを過ぎると淡い墨色となる。

薄く墨をひいたように散る桜でもある。
仏事のときは薄墨をもちいるが。
この桜、彼岸桜ともいう。
桜は美しさの裏に妖気もひそんでいる。

泉鏡花の「因果ばなし」に、死の迫った奥方が、若い側室に桜をみたいとせがむ。奥方は側室の両肩にしがみつく。

「思いがかなった--庭の桜ではない-」。そういって息を引き取った。 その側室の二つの乳房には、切り離すことができない奥方の両手が形見として残る。

さて、根尾谷淡墨桜は、この26代継体天皇が王位継承の混乱を逃れ、根尾谷から離れる際に植えられたと伝えられている。樹齢1500年である。

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